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2006年 10月 21日
2006年 10月 16日
『マイ・ハウス』小倉銀時
とってもおもしろくて、一気読み。実にワイドショー的な作品でした。 哀しいかな、女ってきっと生まれたときから「おばさん」なのだ。他人の夫婦関係、よその家庭の財布の中身、隣家のエンゲル係数、興味ないように振る舞っていても、やっぱり気になってしまうもの。この本を「おもしろい!!」って読んでる自分を見おろして、やっぱり「おばさん」なんだわ………と気づいてしまった。感情移入しないからこそ、我が身には関係ないからこそ、「こわいわねぇ」「ひどい話よねぇ」とおもしろがってしまう自分の「おばさん度」。 失業中の夫と引きこもりの長男、イマドキの長女を抱え、介護ヘルパーのパートで必至に家計を支える団地住まいの主婦、和代。そして彼女が手を出した競売物件の占有者であり、人生を転がり落ちた昭子。そして読者である「おばさん」が加わって、この物語は完成するのです。 #
by yomking
| 2006-10-16 11:45
| 拝借
2006年 10月 16日
『被害者は誰?』貫井徳郎
超美形で頭脳明晰なミステリー作家、吉祥院慶彦が迷宮入り寸前の難事件を解き明かす!! 設定からして好みじゃないのでどうしようと思ったんだけど。 でもでも〜、東野と違ってやっぱり貫井さんはどうしても好きな作家なんだよ〜。中学生の頃、好きな人がかっこつけて似合わない髪型してきて、まわりの子みんなが「イタイイタイ」と言ってても、自分だけはぜったい「○○くんなら、変でもかっこいいからいいの!」とムキになっちゃうのと同じような気分なんです。だからお借りしました。 貸してくれたtdtmkさんの言うとおり、謎解き自体はおもしろいです。だから吉祥院先輩のことはあまり気になりません。不思議だけど、ほんとです。まずはミステリとして成立しているところが、ユーモアに肩入れし過ぎの東野との最大の違いでしょう! 謎解きの快感と物語としてのおもしろさ、そして活字なのにマンガのような読みやすさ。 ずっとずっと前、わたしが赤川次郎とかを読んだときに抱いた感覚を、いまの子供たちは貫井さんで知るのかもよ。うらやましい。 #
by yomking
| 2006-10-16 11:33
| 拝借
2006年 10月 05日
『グロテスク』桐野夏生
いよいよ文庫化となり、勇んで買った上下2巻。往きの電車内とお昼休みにはとてもじゃないけれど直視できない、毒々しき作品でした。 物語の舞台は、階級社会の縮図である名門女子高。類いまれなる美貌を持ったニンフォマニアのユリコ。努力がすべてと信じきりエリート道を突き進んだ和恵。ふたりを激しく嫌悪し、陥れようとするユリコの姉の“わたし”。さらに、同級生のミツルや、その母。出てくる女すべてが、グロテスク!!!男ももちろん絡んできますが、やっぱり女の方がおそろしいのです。 “わたし”の語りとその他の人物の手記で綴られているため、常に登場人物に対して疑心暗鬼。なのに、いつのまにか「え〜っっ、そうだったの?」「そんなひどいことをされたの?」と、気分はまるで同級生。放課後の教室やファミレスでうわさ話を聞いてるような感覚になってしまうのです。・・・いったい誰が真実を語っているの? 怖いものみたさでページを捲り、気づいたら四方八方を怪物たちに囲まれて——。 いやぁ〜、すごいわ。 うまく感想が言えません。 #
by yomking
| 2006-10-05 11:44
| ミステリ
2006年 10月 05日
『マドンナ』奥田英朗
働き盛りの40代を主人公に、出世や恋愛、子育て、老親問題などをクスリと笑わせながらも真剣に描く5つのストーリー。さらっと読めて、“いいドラマ”を観たあとの満足感が残る。 ただ、どの男も大企業勤めのため、その経験のないわたしにはどうにもリアリティが感じられなかった。もっといい加減で本っ当に何も考えてない40代が多い気がして。現実、大企業ではこんなにいろいろなことが起きるものなんですか? #
by yomking
| 2006-10-05 11:02
| 拝借
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